いわき沖は、寒流と暖流が交わりお魚のエサ、プランクトンが多く発生し栄養豊富な美味しい魚が獲れます。この時期特におすすめな魚は「アンコウ」です。
見た目はとってもグロテスクではありますが、皮はプリプリッとした食感で身は白身で蛋白な味わいで、捨てる(食べられない所)がない魚といわれ、高たんぱく低カロリーで、栄養化が高いうえに、お肌の潤いを保ってくれるコラーゲンがたっぷり。乾燥するこの時期にとても嬉しい食材です。
特に寒いこの時期は、アンコウは、胆に栄養をたくさん蓄えていて「海のフォアグラ」とも言われ、多くの地域では「あん肝」として食される事が多いと思いますが、いわき市では、肝と身を一緒に食べる事の出来る漁師料理「どぶ汁」として食べられています。
「どぶ汁」とは、鍋料理で、アンコウの胆を味噌と一緒に炒め大根を加え、アンコウと大根から出る水分だけで炊いた漁師料理で、とても濃厚な味わいで、他の地域では食べる事のできない鍋料理ではないでしょうか。これに、水を足し、白菜やネギなどを入れて作る「あんこう鍋」は、水分が多くなることで、どぶ汁よりもあっさりとしていて、〆にご飯を入れ雑炊として食べても美味しく、幅広い年代の方に食べやすい味わいだと思います。昔は、家庭でもアンコウを吊るして捌いていたそうですが、今の魚屋では既に捌いたアンコウが販売されていますので、簡単に調理ができますので、機会があったらぜひ、「どぶ汁」として食べ、さらに水と野菜を加え「あんこう鍋」として一度に2つの味の違いを楽しんでみてはいかがでしょうか。お料理をするのが面倒な方には、温めるだけで本場の味が楽しめる「美味いもん屋わ多なべ」店主が仕込んだ(有)海幸の「どぶ汁」などのレトルト商品もおすすめです。
また、常磐ものを提供する市内飲食店では、2月末くらいまで「あんこう鍋」や「あんこうの共酢」なども食べられます。常磐ものに合う、四家酒造店又兵衛や太平桜酒造絆などの地酒と一緒に味わってみてはいかがでしょうか。

◎あんこう料理を提供している飲食店

◎あんこう鍋セットが買える店

◎あんこう鍋セットが買える通販サイト